『ある文筆家の暮らし』 no.逗留記 五

旅館の仲居さんと挨拶を交わし 

 

女将とたわいもない話をし界隈を徘徊する

 

猫たちを撫で 別段変わりもなく一日を過ごす

 

そして また 夕暮れ時が美しいと思う 

 

 

ふと、自宅を思い出す

 

 

けしていつもとかけ離れたリズムで逗留生活をしているわけではない  

 

ただ、場所が変わっただけで 

 

いつもが いつもでなくなる

 

境界はいったいどこに存在しているのか
 

 

この旅館も、そして旅館の近所に住む人たちも
 

 

別段変わった暮らしではなく

 

それぞれの日常が繰り広げられているだけである

 

 

境界を生み出す装置があるのだろうか

 

スイッチはどこに
 

 

スイッチを入れるのは何なのだろう